初めて「miruco」を使ってみて①
看護師 川瀬 佳苗さん
目次
- 「miruco」の印象について
- 「miruco」を使用した感想について
- 印象的な事例について
- 使いこなしていく上で難しい事はありましたか?
- 便利な点と改善して欲しい点について
- 今後の「miruco」の活用方法について
インタビュー動画(約6分)
「miruco」の印象について
エコーというと、病院で使う大きな機械でボタンが沢山付いていて、操作が複雑なもの・・・という印象を持っていました。しかし、実際に「miruco」を手にしてみると、画面もプローブも小さく、「とても扱いやすいコンパクトなもの」という、これまでのエコーのイメージを覆すような印象を受けました。使っていくにつれて、操作に慣れてきたのか「これだったら、こういう人に使ってみよう」というイメージが湧いてきて、とても使いやすいと感じました。
「miruco」を使用した感想について
私が最初に「miruco」を使用したのは、神経因性膀胱の高齢女性で、以前からバルーンカテーテルを使っている方でした。彼女は認知症でもあったため、長期間に渡りバルーンを使い続けてきたことが予想されました。しかし、バルーンが(膀胱に)入っている状況は彼女にとってはとても苦痛でしたので「一度抜いてみてはどうだろう」という意見が診療や訪問看護に行く中で沸いてきました。しかし、いざバルーンを抜こうとすると、どれくらいの時間で、どれくらいの尿が溜まり、どのタイミングで導尿するべきか、という判断が必要になります。尿が貯まっているかどうか分からないまま、“まず導尿”という選択をしてしまうと、不必要な導尿が増えてしまい、彼女の苦痛を取り除くことはできません。
その中で、「miruco」を使えば膀胱に貯まっている尿量を確認して導尿実施の有無を判断でき、それによって彼女の身体的、精神的な負担を軽くできると考えました。このことに気づいた時、何よりも私自身が彼女の役に立てると感じ、とても嬉しく思いました。
印象的な事例について
毎日「miruco」を使い続けていると、「これなら導尿しなくても大丈夫」「これなら、入居施設のスタッフに後のフォローをお任せできる」という判断ができるようになってきたため、導尿する回数が減りました。また、このことをきっかけに、施設のスタッフとのコミュニケーションも増え、以前よりも連携が深まったことも大きなメリットだと感じています。
結局、彼女は、その後座っていることが苦痛な状態になってしまい、更に違う病気も発症してしまったため、座ること、導尿を繰り返すことの苦痛を考慮して、最終的にはまたバルーンを入れることになってしまったのですが、当初の漫然とバルーンを入れている状況から、一旦バルーンを抜いて日々を過ごすことができたのはとても良かったと思っています。
使いこなしていく上で難しい事はありましたか?
使い始めの頃は画面に映し出された画像を見て、「これが本当に膀胱なのだろうか?」ということすら分からない状態でした。それでも、プローブを縦に当ててみたり、横に当てみたり、深さに対して軽く当ててみたり、少し強く押してみたりなど、どのようにプローブを当てるのが最も良く見えるのかを工夫しながら使い続けていきました。そうすると、徐々に操作にも慣れてきて、気がつけば自然に使えるようになっていたという感じです。「習うより慣れろ」ではないですが、使えば使うほど、確実に使いこなせるようになると思います。
便利な点と改善して欲しい点について
「miruco」が便利だと思う点は、とても小さいため自分の訪問看護用バッグのポケットに入れて簡単に持ち歩けることです。特に使う予定がなくても携帯していたので、必要性が出た時に使えたということもあり、常に身近な存在であることが何よりも良いと感じています。
不満に感じた点は特にありませんが、一度、私の不注意でタブレットの充電が足りず、使用時に慌ててしまったことがあります。これは確認不足ですので、私がしっかりすれば大丈夫だったと思います。
今後の「miruco」の活用方法について
今は台数が少ないですが、看護師1人に1台、診療で1人に1台という時代が来れば、もっと身近で使いやすいものになるだろうと思います。本当に携帯電話(スマートフォン)を持つような感覚でmirucoを持つようになると、皆が使いこなせるようになると感じています。
※ご所属・役職等はインタビュー当時のものとなりますのでご了承ください。
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(取材協力:オレンジホームケアクリニック)