現場で「miruco」の活用が定着 医師との新たなコミュニケーションツールに
看護師 岡村 奈保子さん
目次
- Q1:初めて「miruco」の研修に参加した感想は?
- Q2:実際に「miruco」を使用した感想は?
- Q3:研修後、すぐに「miruco」を使用できましたか?
- Q4:「miruco」導入後、導尿の仕方は変わりましたか?
- Q5:今まで導尿は定期的に行うものでしたか?
- Q6:直接見えると違いますか?
- Q7:「miruco」導入後、病棟に変化はありましたか?
- Q8:2回目の研修に参加した感想は?
- Q9:今後「miruco」をどのように活用していきたいですか?
インタビュー動画(約6分)
Q1:初めて「miruco」の研修に参加した感想は?
受講前はエコーに対する抵抗があり、「自分でエコー画像を見て判断できるのか?」と思っていました。しかし、実際に研修で尿量を貯留したファントムを描出するデモンストレーションを体験したところ「意外にしっかりと膀胱が見えるんだな」と思いましたので、ぜひ現場で使ってみたいと感じました。
Q2:実際に「miruco」を使用した感想は?
従来のエコー検査機器はたくさんの操作ボタンがあり、しかもほぼ英語表記でした。検査技師の方がボタンをクルクル回しながら操作しており、何が行われているのか全く分からなかったので「自分にはエコーは操作できない」という強いイメージがありました。しかし、「miruco」の操作はとても簡単だったので「これなら使える」と思いました。
Q3:研修後、すぐに「miruco」を使用できましたか?
最初は一人ではなく、看護師数名で「やってみよう!」という感じで始めたので、あまり緊張せずに使用することができました。もし初めから自分一人だけで使用して、医師に報告するよう求められていたら不安だったと思います。数名で操作や画像の見方を確認し合いながら徐々にmirucoを使うことに慣れていったため、安心して使用できるようになりました。
Q4:「miruco」導入後、導尿の仕方は変わりましたか?
今までは、一定の時間が経過すると尿は溜まるものだと思い込んでいたので、バルーンを抜去した後、これくらい時間が経ったから、尿もこれくらい溜まっているだろう、と尿が溜まる量を予測していました。そもそも尿が溜まらない、という考えがなかったので、「miruco」を導入してからは、「時間で導尿を行うのは当たり前」という感覚はなくなりました。
Q5:今まで導尿は定期的に行うものでしたか?
まずは導尿を行い、その結果として尿が少なかった場合はその理由を考えていました。8~10時間を目安に導尿するのですが、お腹が張っていれば当然導尿を行いますし、張っていなくても尿が溜まっていることもありましたので、導尿は時間で行うものだと漠然と思っていました。
Q6:直接見えると違いますか?
全然違いますね。「miruco」で確認をしてから必要に応じて導尿が行えるので、無駄な処置がなくなり、患者さんの苦痛が軽減されたと思います。看護師の視点も、尿が溜まっていなければ「なぜ溜まっていないのだろう?」と、その原因を考えるようになりました。
Q7:「miruco」導入後、病棟に変化はありましたか?
医師から指示を受けている際に、患者さんの尿の状況を報告すると「エコーで見たの?」と聞かれる様になりました。聞かれてから「あっ・・・見ます!」という返答になってしまっていたので、最近は指摘される前に「miruco」で確認をしておこうという意識が強くなってきています。
Q8:2回目の研修に参加した感想は?
2回目の研修は、実際に現場で「miruco」を使用してからでしたので「こういう場合は、どうしたらよいのか?」といった患者さんの状況に応じた具体的な質問ができました。また、しっかり考えながら研修を受けることができたからか、自分の勘違いに気づく事もできました(深さの目盛りの「5」という数字を「500ml」だと思っていました(笑))。改めて、最初はこんなに「miruco」を頻繁に使用するようになるとは思っていませんでした。
Q9:今後「miruco」をどのように活用していきたいですか?
経鼻栄養時の胃管留置の確認にも活用していきたいです。吸引が多ければ患者さんが誤ってカテーテルを引っ張ってしまうことがありますし、患者さんを抑制している場合もあるため、自己抜去の防止と共に、「miruco」で、いつでも胃管留置を確認できるようになりたいと思います。
※ご所属・役職等はインタビュー当時のものとなりますのでご了承ください。
本州最北端の地で最先端を目指す大間病院
大間病院は、大間町・佐井村・風間浦村の1町2ヶ村、人口約1万人の医療圏をもつ病院です。自治医大卒義務年限中の6名で運営しています。近隣に医療機関が少ないので、地域に必要とされる医療を考え、予測し、柔軟に対応することが求められています。医療・介護機関の連携については、歴代の自治医大の先生や、介護施設のスタッフが地道に関係を作り上げてきました。週に一度行われるリハビリカンファでは、病院内のスタッフに関わらず関係する医療介護関係者が一同に集まり患者さんの退院支援にむけて情報共有を行っています。そのほかさまざまな取り組みを通して多職種間でのコミュニケーションが密なのが特徴です。
(取材協力:国民健康保険大間病院)